首こり・肩こり
首こり・肩こりは、首から肩甲骨周囲にかけて筋肉がこわばったような、重苦しい不快感を指します。首こり・肩こりの原因としては、筋肉疲労、ストレス、首、肩、胸の疾患などがあります。
また、首こり・肩こりの原因として最も多いのは、筋肉疲労によるものです。首や肩甲骨周囲の筋肉に、常に頭部と上半身を支えるための負荷が加わっていることによって生じます。なで肩・猫背などの悪い姿勢の場合も、普段から筋肉疲労状態となり、首こり・肩こりの原因となります。また、ストレスによるもの、精神的緊張によるもの、心理的葛藤による首こり・肩こりもあります。
首こり・肩こりが起こると、筋肉内の循環障害が起こり、乳酸やカリウムなどの物質が蓄積し、これが刺激となってまたこりが生じるという悪循環が生まれてしまいます。
首こり・肩こりの鍼灸治療
首こり・肩こりの鍼灸治療は、こりのある筋肉を見つけて、その筋肉を対象に治療を行います。この場合、こりのある筋肉に位置するツボを中心に鍼を当てていきます。主な筋肉は僧帽筋、斜角筋、肩甲挙筋、棘上筋、棘下筋などです。
また、筋力を強化するために運動療法や筋肉の緊張緩和を目的にストレッチをすることも有効となります。いずれにしても治療のポイントは、首こり・肩こりの悪循環を改善することです。
五十肩
五十肩(肩関節周囲炎)は、肩の痛みと肩の動きに制限がある状態をいいます。腕が上がりづらい、着替えで肩が痛む、シャンプーがしづらい、高い位置のものが取りづらいなどは五十肩の代表的な症状です。痛みは肩から腕に感じることが多く、腕を上げようとする時に痛みます。痛みが少ないのに肩がロックされて腕が上がりづらい、腕があがらないという場合もあります。運動や動作の時に痛む運動時痛、夜寝ているときなどにも痛みが出る夜間痛などがその特徴です。
五十肩(肩関節周囲炎)の原因はよくわかっていませんが、加齢や筋力低下に加えて肩関節の周りの筋肉に負担がかかった状態で発症することが多く、筋肉や腱の炎症であると考えられています。
五十肩(肩関節周囲炎)の原因で痛めた部分がわかるものでは、日常の肩や腕の動きで筋肉や腱が関節の間で衝突したり挟まれたりして炎症が起こるもの、肩や腕を外側から内側に急激に動かしたことで筋肉や腱が引っ張られたり捻じれたり力が入りすぎたりして炎症が起こるものなどがあります。その他には、肩の関節のクッションの役割を果たしている関節滑液包に炎症がおきたものがあります。
多くの五十肩(肩関節周囲炎)は、痛みが強くでる疼痛痙縮期、関節が固まる拘縮期、疼痛が少なくなる回復期の三つに分かれ症状が推移していきますが、その期間は人によって様々で短いと3ヶ月、長いと2年以上かかる場合もあります。五十肩(肩関節周囲炎)は自然と治っていくものもありますが、関節の拘縮といって肩関節の動きが制限されたまま固まってしまう場合もあります。
五十肩(肩関節周囲炎)の病院での治療
五十肩(肩関節周囲炎)の方が病院を受診する場合に、肩の痛みや腕が上がりにくいという症状で受診することが多く、実際にどのような疾患なのかを医師が診断する必要があります。肩の痛みや腕が上がりにくいという症状の場合に考えられる疾患は、石灰沈着性健板炎、上腕二頭筋健炎、健板損傷、頚椎症、胸郭出口症候群、変形性肩関節炎などがあげられます。主にレントゲンやMRIなどで解析し、どのような疾患にあたるのかを診断します。
検査の結果、五十肩(肩関節周囲炎)と診断された場合は、痛みが強い疼痛痙縮期には鎮痛剤の服薬や湿布による治療、関節へのステロイド注射、温熱療法、リハビリなどが行われます。拘縮が始まった拘縮期やその後の回復期には関節滑液包へのヒアルロン酸注射やステロイド薬・局所麻酔薬注射などを行い、最近では肩関節周囲の筋肉への局所麻酔後に医師が肩を動かすことによって炎症で癒着した部分を剥がす、エコーガイド神経ブロック下徒手授動術などがあります。
五十肩(肩関節周囲炎)の鍼灸治療
五十肩(肩関節周囲炎)の鍼灸治療は、肩関節の周りの固まった筋肉の緊張を軽減し、循環を改善していきます。腱や滑液包などの炎症が強い場合はそれらの軽減を目的にやや刺激量が多くなる傾向があります。また肩甲骨周囲や脇の下あたりに痛みや炎症がある場合には、支配神経である肩甲上神経に刺激が加わるようにします。痛みの強い時期は週に1~3回程度行うのが良いとされています。
アイム鍼灸院での五十肩(肩関節周囲炎)の鍼灸治療
アイム鍼灸院での五十肩(肩関節周囲炎)の鍼灸治療は、症状のある肩関節を中心に腕、頚、背中などの肩の動きに関わる筋肉のコリや張り、冷えなどを丁寧に診ていきます。また全身の状態からの影響を考え、胃や腸などの働き、全身の血行、冷えやほてりを調整するなど東洋医学的な身体のバランスを整えながら鍼灸治療を行っていきます。全身のバランスを整えることで、五十肩(肩関節周囲炎)の症状が改善する可能性を高めます。
寝違え
春や秋、季節の変わり目に発症しやすく、急激な温度変化や日常的な首こり肩こりなどが発端となって起こります。主に、朝起きた時に予兆なく起こる症状なので、寝違えと呼ばれています。
急性の首こり肩こり、腱の損傷の場合が多く、鍼灸治療が奏功します。
症状が起きてから時間が経つと、痛みが慢性化しますので、なるべく早めの鍼灸治療をおすすめします。
男性の抜け毛・薄毛
日本人成人男性の4人に1人が薄毛症状が現れています。日本の成人男性薄毛率を調査しているアデランスの発表によると日本の成人男性薄毛率は26%を超えており、成人男性のおよそ4人に1人が「薄毛」と言われています。原因として考えられることは就寝時間が遅くなった、食事が欧米化してきた、パソコンやゲームが普及してきたことなどが要因の一つでしょう。日本人の生活パターンに変化がなければ、この日本人成人男性の薄毛率は増加していくことも考えられます。気が付いたころには50%を超えているかもしれません。
みなさんもご自身の普段の生活について考えてみてください。体にも髪にも悪い影響を及ぼす生活を送っていませんか?とにかく規則正しい生活を送り、健康的な体質を保つことが「薄毛」対策には大切です。
薄毛・抜け毛の原因
薄毛とは何らかの原因で髪が細くなったり、抜け落ちたりと正常な成長をしなくなり、その結果、「髪の毛が薄くなる」といった状態になることですが、いったいなにが原因で薄毛となるのでしょう。薄毛になる原因は大きく分けて4つあります。「遺伝」「男性ホルモンの影響」「食事・生活習慣」「精神的ストレス」これらの薄毛原因が複雑に絡みあった結果、髪が抜けたり細くなるのです。この4大原因からみると、どの人にも薄毛になる可能性があるということがわかります。
○遺伝
薄毛には遺伝的要素が大きく関係しています。薄毛が広がる前に予防の治療を行うことをおすすめします。
○男性ホルモンの影響
男性ホルモン(テストステロン)は髭や体毛などの成長を促進しますが、頭髪にとっては逆で、毛根の毛母細胞でDHT(ジヒドロテストステロン)に変わり、毛母細胞を萎縮させ、髪の成長を妨げます。
○食事・生活習慣
髪の毛の生成に必須とされるビタミンやミネラル成分は日常の食生活では十分に摂取できない場合があります。また同時に不規則な生活も髪の成長を妨げます。
○精神的ストレス
心や体にも悪影響を及ぼすストレス。薄毛や抜け毛にとっても例外ではありません。
ストレスが自律神経やホルモンバランスを乱し、血流が悪化すると、毛根に栄養分を十分運べない状態となります。
女性の抜け毛・薄毛
近年では、女性も薄毛で悩んでいる人が多く、薄毛は男性だけの悩みではなくなってきています。
女性の方が男性よりも深刻に悩んでいるケースもあります。女性の薄毛原因はさまざまですが、
主に加齢現象・男性ホルモン・ストレス・副腎皮質ホルモンの減少などが挙げられます。これらの薄毛原因が重なって薄毛の症状が見られる場合もあります。女性の場合は、ホルモンバランスの変化による脱毛も多いようです。
女性の薄毛の原因
○更年期障害
女性の薄毛は、血流不全以外に女性ホルモンのバランスの崩れが一因だといわれています。
更年期以降の女性に多い症状で、「びまん性脱毛症」といいます。びまん性脱毛症 は、部分的に 髪の毛が抜けるというような脱毛症ではなく、髪の毛のコシが無くなり、細くなって、全体的に 薄毛 になってくるのが特徴です。
○加齢現象
髪の密度は20歳がピークといわれ、太さは35歳頃。その後は密度・太さともに衰えていき、30代後半くらいから「髪のうねり」も目立ってきます。そして40歳前後から、だんだん髪のハリやコシがなくなり、白髪や薄毛、抜け毛など、さまざまな形で「髪の加齢変化」が目立ってきます。
○ストレス
家庭内の問題に加え、近年の社会不安、仕事や人間関係など、様々なストレスと闘う現在の女性たち。身体の変調を引き起こす原因になっていることは言うまでもありません。もちろん髪や頭皮に与える影響も大きいと言えます。また、薄毛に対する過剰な反応も、悩みを大きくし長引かせる原因になる場合があります。
円形脱毛症
円形脱毛症のしくみ
正常に成長していた毛髪の一部が何らかの原因で突然抜け落ちてしまう現象が脱毛症です。
その中で、ある範囲に限局性の脱毛を来すものを円形脱毛症と呼んでいます。また、限局性の脱毛には瘢痕性脱毛と言われるものがあり、外傷や熱傷などの物理的傷害、頭皮に何らかの皮膚疾患が生じその病変部に脱毛班を生ずるものなど基礎疾患が比較的明らかな脱毛症で、円形脱毛症とは区別されます。円形脱毛症は米国の統計では人口の0.1~0.2%程に認められると言われており、我が国での皮膚科外来患者の中では3~5%の頻度で、決して少ないものではありません。
一方、びまん性脱毛症はどことなく全体に脱毛が進行してくるもので、感染症、膠原病、栄養障害、内分泌疾患などいくつかの基礎疾患が知られています。さらに、壮年性脱毛症(男性型脱毛、若禿といわれるもの)は男性ホルモンの影響で毛の性質が変化し、次第に頭髪が薄くなっていくもので、円形脱毛症とは性質の異なる脱毛症です。
毛髪の成長
成人の頭髪は一日に0.34mmほど伸びていますが(成長期)、一定の時期がくると成長はとまり(静止期)、やがて抜け落ちて(休止期)、また新しい毛が生えてくるという周期があるために、
頭髪では一日に約100本の毛が生理的に抜けています。
円形脱毛症の種類
円形脱毛症は、円形の脱毛斑として起こり、小さなものから、徐々に拡大して広範囲なものになることがあります。その臨床形態からいくつかの型が知られています。円形の脱毛斑をみるものは通常型といわれ最も多い型であり、それには単発性と多発性とがあります。単発性で始まってやがて多発性にあることもあります。
- 頭髪の生え際に帯状に出現するophiasis型(蛇行型)
- 頭髪が全体に抜け落ちる全頭型
- 頭髪だけでなく全身の毛髪が脱落する汎発型(全身型)
- 原因にアトピー素因を持って起こすアトピー型(これは臨床像というよりも、素因の立場での分類になります)
これらの円形脱毛症のうち、全頭型や汎発型は多発性通常型から移行することがあります。部位としては頭髪が最も多いとされていますが、眉毛、まつ毛、ひげなどにも発症し、まれには体毛に円形脱毛症を生ずることもあります。
発症年齢・性
円形脱毛症の発症年齢はどの年齢にもみられますが、小児の発症も多くみられます。733例の円形脱毛症の皮膚科を受診した時の年齢分布では、20~30歳台が最も多く、次いで10歳以下が多いのが注目されています。男女比は1対1.18と女性にやや多い傾向がみられます。
円形脱毛症の原因
円形脱毛症の原因は未だ明らかではありません。感染症、ストレスなどの精神神経障害、内分泌異常などの様々な説があります。近年では免疫学的検索により遺伝的素因を持つ個体に自己免疫的機序が関与して発症するとの考え方が有力とされています。遺伝的素因としては、家族内発症が30%ほどにみられること、双生児法を用いた調査から、一卵性双生児では両者の発症率が高いのに比して二卵性双生児では片方の発症のみであったとの報告があること、HLAの型の検査では脱毛症の患者に共通する型が認められていることなどから、遺伝的要素があることは確実とされています。
免疫学的要因としては、円形脱毛症の病変部の病理組織所見にて、毛根部周囲、外毛根鞘にリンパ球漫潤がみられ、何らかの免疫反応が毛根を中心にして起こっているものと考えられます。その結果、毛髪は委縮し退行変性を生じ、やがて脱落。しかし、自己抗原とされるものが何であるかは明らかではありません。
円形脱毛症は治るのか?
単発性の円形脱毛症では寛解することが多いのですが、多発性の円形脱毛症になると発毛がみられても一方では脱毛をきたし、それが周期的に起こり、長期にわたって繰り返されることがあります。また、蛇行型や全頭脱毛の円形脱毛症では、しばしば治療に薬剤の治療に抵抗性となり、治療により寛解がみられても治療を中止するとまた脱毛をきたしてしまうことが多く、難治性といわれる型です。しかし、瘢痕性脱毛のように毛包の永久破壊は起こらないので経過は長くなっても全くあきらめる必要はありません。質の高い国産の「鍼」だから、痛みを最小限に抑えます。
円形脱毛症は適切な治療を選ぶことが大切です。
生活上の注意
円形脱毛症をきたした場合には毛根を刺激して毛の成長を促すこと、バランスのとれた栄養摂取、
頭皮のマッサージを行い血行を良くすることなどに努めることが大切です。ストレスは溜めないで発散させるようにしたいものです。円形脱毛症は、外見上の問題が大きい場合には義髪をうまく利用することも必要になります。また、悩みを一人で抱えないで、打ち明けて話し合える仲間の存在も重要なことと言えるでしょう。円形脱毛症は外見的な問題が非常に大きく、対人関係などで心理的に大変な悩みとなります。そのような悩みを理解し合える社会、共感を持てる環境にしたいものです。
頭痛
頭痛は一般的に良く起こる症状だがその範囲は広く、頭部に限らず頚部や顔面部、耳の周囲までを含めて痛むことがあり、人によって様々に表現されます。
- こめかみが痛い
- 頭全体が締め付けられるような痛み
- 額のあたりが痛む
- 目の奥が痛む
- 首と頭蓋骨の付け根の痛み
多くの頭痛は、緊張型頭痛と呼ばれ身体的、精神的なストレスにより頭部や顔面部、頸部などの筋肉が緊張し、血流が制限されて痛みが起こります。また感覚が過敏になり強い光や大きな音に敏感になり、それらがさらなる頭痛を誘発する場合もあります。
頭痛の病院での治療
頭痛の病院での治療は、まず頭痛がどのような原因で起こっているかを診断します。
○一次性頭痛
一次性頭痛では、頭痛が絶えず続くのではなく、発作のように突然発症し、いったん治まると痛みはまったく感じなくなります。緊張型頭痛と片頭痛は通常一回の発作が治まれば次の発作まで症状が出ることはありませんが、群発頭痛は発作が数週間から数か月続き、何も症状がない期間が数か月から数年続くのが特徴です。
○二次性頭痛
二次性頭痛は、脳血管障害や脳腫瘍などの生命に関わる重篤な疾患や、薬物の副作用や離脱症状、精神疾患などが含まれます。
問診、頭部CTやMRIによって頭頚部の異常がないかを確認し二次性頭痛の場合は速やかに原因疾患の治療に入ります。二次性頭痛が除外され、緊張型頭痛と診断された場合には消炎鎮痛剤が広く使用され、場合によっては筋弛緩剤や抗不安薬が処方される場合もあります。片頭痛や群発頭痛はトリプタン製剤に加え予防として様々なお薬が処方されます。
頭痛の鍼灸治療
頭痛に対しての鍼灸治療の研究は、鍼灸治療のなかではかなり進んでおり、一部報告では薬剤を使用した治療よりも費用対効果が良い場合があるという研究があります。また頭頚部のコリが片頭痛の発生に関わっており、片頭痛の予防に鍼灸治療が有用であるという報告がされているものもあります。主には頭部から頚部かけての筋肉の緊張を緩和していくことで頭痛を治療していきます。
アイム鍼灸院での頭痛の鍼灸治療
アイム鍼灸院での頭痛の鍼灸治療は、症状のある部分を中心に筋肉のコリや張り、冷え、ほてりなどを丁寧に診ていきます。痛みの強い場所はコリが強いほかにほてりがある場合があります。また逆に冷えている場合もあります。
東洋医学で上実下虚といって、上半身の緊張が強く、頭部や頚肩にほてりがあり、下半身に冷えがあるという状態になると頭痛が起こりやすくなり、また痛みが増長する場合があります。全身的なバランス調整は、身体全体の緊張をほぐすとともに、頭頚部のコリや緊張を緩和します。
眼精疲労(目の疲れ)
どんな方でもパソコン操作や読書、車の運転などを長時間続けていれば、眼の疲れを感じるものです。眼がショボショボする、眼の奥の方がズーンと痛くなる、眼がかすむ、まぶたがピクピクと痙攣するなどのような症状です。
これらが一時的なものであれば、あまり問題はないのですが、何日にもわたって継続する場合、眼精疲労と呼びます。これらがひどくなると肩こりや頭痛といった身体の症状となって表れることがあり、それにイライラや憂鬱感などを伴う事もあります。
自分でできる眼精疲労(疲れ目)の手当て
ご自分でも簡単にできる手当てをご紹介します。
眼が疲れたといって、冷たいタオルなどでその部分を冷やす人を見かけます。これは、当初はとても気持ちがいいものですが、血管が一気に収縮してしまい、長く冷やしているとかえって良くない場合があります。そんな時は、蒸しタオルなどで温めたほうが効果的です。じっくりと温めていくと、血管が拡張して血行が良くなり、疲れがとれていくのです。また眼のまわりを軽くマッサージするのも疲労回復効果があります。
眼精疲労と鍼灸(はり灸)
鍼灸(はり灸)治療は効率よく血行促進できるという意味でもかなりの効果が期待できます。 治療には四白(しはく)角孫(かくそん)、風池(ふうち)、太陽(たいよう)といった頚部や顔面にあるツボのほか、手の甲にある合谷(ごうこく)などのツボを多く使います。
これらのツボへのはり(鍼)は、眼精疲労の時はもちろんですが、肩こりや頭痛、イライラなどが、眼の使いすぎからきていると考えられる時にもよく使います。
アイムの患者さんにはお仕事でパソコンを使っている方が多く、パソコンを一日中見ていて眼が疲れ、それが肩や首のこりにつながったといった時などこのような治療を行っています。これで、眼が開いた感じがして、すっきりとした気分を味わうことができます。
めまい・耳鳴り・難聴
めまいに対しては、脳血管障害や脳腫瘍などが除外されていればメニエール病の治療に使われる抗めまい剤のアデホス・ビタミンB12製剤のメチコバール・経口浸透圧利尿剤でメニエール改善薬とされるイソバイドの三薬が処方される場合が多く、その他に平衡感覚の調整薬であるメリスロンや酔い止めとして有名なトラベルミンなどが処方される場合もあります。また突発性難聴の場合のもそれらの薬が処方される場合がありますが、突発性難聴の場合は主にプレドニゾロンなどのステロイド剤が処方されます。耳鳴りに関しては有効な治療薬が今はないため、上記のめまい・突発性難聴に使われるお薬や、抗不安薬、、抗うつ薬、向精神薬などが使用される場合もあります。
アイム鍼灸院でのめまい・耳鳴り・難聴の鍼灸治療
アイム鍼灸院でのめまい・耳鳴り・難聴の鍼灸治療は、主に耳や首の周りの筋緊張を緩和することで血流を促し症状の改善を狙います。めまい・耳鳴り・難聴の症状に共通して多くみられる状態は、東洋医学で上実下虚といわれる上半身の緊張が強く、頭部や頚肩にほてりがあり、下半身に冷えがあるという状態です。特にめまいではほとんどの場合で上実下虚の状態になっており、鍼灸治療での全身的なバランス調整は身体全体の緊張をほぐすとともに、身体の上下の冷えとほてりのバランスを調整し、めまいが起きにくい状態に導きます。めまい・耳鳴り・難聴の場合、早期に鍼灸治療を開始することで回復する可能性が高まります。
突発性難聴
早期の鍼灸治療(はり灸)は突発性難聴完治の効果を期待できます。
突発性難聴になった多くの人は、首の後ろ側で耳に近い部位(後頚部)から肩にかけての筋肉にこわばりがあるケースが多く見られます。耳周辺の筋肉の緊張を鍼灸(はり灸)で改善することができます。突発性難聴の鍼灸治療は、病院での治療開始と同時に開始することをおすすめします。
突発性難聴とは
突発性難聴は、内耳に異常が生じる、急性感音難聴の代表の一つです。感音難聴の中で、原因不明なものが「突発性難聴」と考えられています。厚生労働省の難病疾患(123個のうちの1つ)に指定されています。
耳の仕組み
耳や目は、外に開かれている分、いろいろな疾患におかされ易い器官です。
聴覚障害は、疾病や障害、または先天性により生じることがあります。さらに、老年人口の増加と騒音の増加に伴って難聴はより一般的になるでしょう。聴覚(hearing)とは音を検知する感覚ですが、聴覚を司る「耳」は工学的に見て驚異的な器官です。
聴覚は、「蝸牛」と呼ばれるカタツムリの形をした内耳の受容器官が、音のエネルギーを電気信号に変換し、脳へ伝えることにより実現されます。私たちが音のわずかな違いを聞き分けられるのは、蝸牛が音を周波数成分に分解し、その周波数や振幅の情報を伝える働きを持っているからなのです。この働きは内耳の受容器である有毛細胞の持つ驚くべき特性によって実現されています。
有毛細胞は、原子レベルの(例えば金の原子の直径0.3nm)の小さい振幅を持つ音の振動をも検知して、これを光受容細胞が光に反応するよりも1000倍早く電気信号に変換するのです。左右の蝸牛には約16000個の有毛細胞があります。外耳で捉えられた機械エネルギーは、中耳を通り、蝸牛へと伝えられ、蝸牛は弾性に富んだ基底版を振動させ、基底板上で特徴周波数ごと並んだ16000個の有毛細胞が音の周波数成分を検出し、受容器電位へと変換することで、感覚ニュロンを発火させます。なお、有毛細胞は細胞分裂によって入れ替わることはなく、生涯存在し続けなければならない細胞です。また、耳には音に対しての受容器に加えて、体のバランスに維持と、3次元空間における体の位置情報検知に役立つ感覚である平衡感覚の受容器も存在します。
音波(sound waves)の性質
音は、弾性媒体である空気の疎密波(高い音圧と低い音圧領域からなる波=音波)で、その伝播速度は毎秒340mです。
音波の振動数(周波数)がピッチ(音の高さ)を決めます。振動数(周波数)が多いほど高いピッチとなります。
人の耳に最もハッキリ聞こえる音は500~5000Hz(1Hzとは1秒間あたり1サイクルのこと)の周波数で振動する音源からのものです。1人の可聴域は20~20000Hz。会話に用いられる音は主に100~3000Hzの間にあります。ソプラノ歌手が歌う高いド(higt C)の音は1048Hzに優位な周波数があります。数キロメートル離れたジェット機から聞こえる音は20~100Hzです。
振動の強度(振幅)が強まれば音は大きくなり、音の強さは1デシベル(dB)という単位で測定されます。1デシベルの上昇は、音の強さが10倍になったことを意味します。
1000Hzで若い成人が静かなところでようやく聞き分けることができる閾値が0dBと定義されます。木の葉がサラサラいう音は15dB、ひそひそ話は30dB、普通の会話は60dB、電気掃除機は75dB、叫び声は80dB、近くのオートバイや削岩機は90dB。 正常な耳では、約120dBの音で不快を感じ、140dB以上の音で痛みを覚えます。
突発性難聴
突発性難聴は1944年に、海外で初めて報告された病気です。ある日突然、それも時間が特定できるほど、自分が何をしていた時かがわかるくらい突然に、極度の聴力の低下が起こる耳の病気です。朝起きてというのは結構多いケースのようです。急に耳が聞こえにくくなるのは非常に不安、恐怖です。最近では、年齢や性別にかかわらず発症し、比較的中高年に多く(小児はまれ)、左右の耳の差はありません。めまいや耳鳴りを伴うことがあり、聴力の低下だけでも辛いのに、その苦しさは本人にしかわからないということもあって、肉体的にも精神的にも大きなダメージです。再発はしません。突発性難聴が再発するようならば他の疾患です。年間3万人から4万人発症すると言われており(2011年人口100万人当たり275人。1993年より1.5倍増加)、近年増加傾向にあるので、この病名を耳にした人も、身近でかかった人がいるという方もいらっしゃるでしょう。突発性難聴は広く知られるようになってきました
突発性難聴の症状
主に片側のみに症状が現れます。両側同時の場合はまれ(7%程度)です。軽症では「耳がつまる」、「耳に膜が張った」、「音が響く」、「割れて聞こえる」、「くらくらする」と感じます。 重症では「聞こえない」、「ぐるぐるとしためまい」、「吐き気、嘔吐」を伴います。耳鳴りを90%の人が、「耳が詰まった感じ」を60%の人が感じています。第8脳神経(内耳神経)以外に顕著な神経症状を伴うことはありません。更に、突発性難聴を患う人の約3割に眩暈(めまい)が起こります。内耳の不全が前庭半規管までに及ぶと、めまいが来るのです(初期段階でメニエールとの区別になる)。なお、内耳(蝸牛)窓破裂でも、これら突発性難聴と同様な症状が見られますが、原因が明らかになったものは突発性難聴とは呼びません。
メニエール病とは
メニエール病は、内耳の異常によって起こる病気です。突然頭がクラクラし、それに伴ってめまい(平衡感覚の異常)、高いピッチの押し寄せ、唸るような耳鳴りと、程度の変化する難聴(蝸牛の基底膜の歪みによる)を感じます。回転性のめまいがメニエールの特徴で、一回の発作は数分から数日間続きます。間隔は数日から数年開き、この発作を繰り返すと聴覚が次第に低下していき、数年で聴覚がほぼ完全に失われることもあります。
正確な原因はわかっていませんが、内耳の液体バランス調節機構に何らかの異常が起こって、内耳のリンパ液が増え、膜迷路を拡張(内リンパ水腫)、それぞれの嚢が膨張して、ついには破れ、化学的組成の違う内リンパ液と外リンパ液が混ざり合い、異常な信号が発生(内耳のショート)するのではないかのではないかと考えられています。
治療法はありませんが、薬で症状を和らげたり、発作の頻度を減らしたりすることはできます。
メニエール病と突発性難聴の違い
メニエール病は、突然発作的に耳が聞こえなくなるという点では、突発性難聴と似ています。病院でも区別がつきません。メニエール病は内耳の内リンパ液が過剰となり、内リンパ水腫になることで起こります。そのため聴覚異常の前、まず最初にめまいが起こります。
突発性難聴の原因
突発性難聴の明確な原因は不明です。考えうる原因で説明がつかないのが突発性難聴の定義です。
幾つかの考えられる原因として
- ウイルス感染(発病する前に風邪をひいていたケースが多い。しかしウイルスは見つかっていない)
- 内耳の循環不全(ただ、他の器官が正常なのに、耳だけ血行循環障害が起きるとは考えにくい)
- ストレスや疲労、過度の心的ストレス、過度な労働、寝不足
などが引き金となることが多いように思われます。
ストレスによって血管の痙攣が生じることが原因になると考えられています。
なお、遺伝ではありません。(同じ感音難聴である老人性難聴のように、特に家族傾向や遺伝傾向の要素は見つかっていません)
突発性難聴の治療
原因が不明ということは治療法も確立されていないということになります。予防法もわかりません。患部(耳)が、脳や重要な神経に近いこともあり、外科的な治療をしにくい側面があります。
何より早期治療が大切です。突発性難聴は時間との勝負。発症後2~3ヶ月で症状が固定してしまいます。発症から10日以上経過すると、聴力が回復する可能性が低くなると言われています。
1週間以内、遅くとも2週間以内の治療開始が必要です。薬も発症直後が効きやすいです。3分の1が完治、3分の1は難聴や耳鳴りが残るものの症状は軽くなります。残り3分の1は治りません(※半年後に急に治ったという症例もあります)
どうしてこのような治療効果の違いが生じるのかはわかっていないのです。
突発性難聴が治りづらい人
- 発症後2週間以上を経過した人
- 発症時平均聴力レベルが90dB以上の高度難聴の人
- 回転性めまいを伴う人
- 高齢者、糖尿病、動脈硬化のある人(血糖値が上昇します)
現在、突発性難聴の治療は薬剤治療が原則です。ステロイド剤(第一選択薬)や血管拡張剤、ビタミン剤(B129)、代謝を高める薬剤、血液を固まりにくくする薬剤、抗ウイルス薬、漢方薬の処方、その他鍼灸治療などが行われます。また星状神経節ブロック(血管拡張を狙っている)、高気圧酸素療法(内耳への酸素供給量を増やす)なども行われます(補助療法、併用療法)が、いずれもはっきりとしたエビデンスはなく、経験的に投与している状態です。その内容も、神経細胞に栄養を与え、再び元気にさせる治療が中心です。
急性期の治療として最も重要なものは安静です。軽症の場合は外来通院で治療できますが、中・高度の聴力障害の場合は2週間ほどの入院が必要です。蝸牛はとても小さい器官で、血液がわずかしか巡らず、服薬や注射では十分とは言えません。また、内耳にはバリアが存在し、薬剤の有効成分が到達しにくいという理由もあります。最先端の治療としては、IGF-1(インスリン様細胞増殖因子)を蝸牛に大量に入れる(徐放 ゼラチンハイドロゲル)治療があります。これは聴覚再生治療で、鼓膜を切り、中耳と内耳の境目にある正円窓という膜から蝸牛の上にIDF-1を含んだゼラチンハイドロゲルを留置する治療です。聴力再生のメカニズムとしてIGF-1を用いた治療では、音の振動をとらえるセンサーである有毛細胞の生存促進や有毛細胞と聴神経間の神経節号の再生により、聴力が回復するのではと推測されます(29年度開始予定)。
顔面神経麻痺
顔面神経麻痺は突然発生する顔の麻痺で、表情が作れない、額があがらない、まぶたが動きにくい、口が閉じられないなどの症状が現れます。原因として最も多いのは、ウイルス感染による顔面神経麻痺で、単純ヘルペスウイルスや水痘帯状疱疹ウイルスが多いとされています。帯状疱疹のあとに顔面神経麻痺になるケースもあります。以前は微小循環障害によっておこるともみられていました。
顔面神経麻痺の病院での治療
顔面神経麻痺の病院での治療は、まずは脳血管障害や脳腫瘍、髄膜炎などの伴った中枢性の顔面神経麻痺であるかどうかを診断します。血液検査やMRIなどで命にかかわる疾患があるかないかを検査していきます。末梢性の顔面神経麻痺であれば、40点法(柳原法)と呼ばれる麻痺の程度を点数評価するのが一般的で、ステロイド剤や抗ウイルス薬による治療が行われます。
顔面神経麻痺の鍼灸治療
顔面神経麻痺の鍼灸治療は主に顔面神経が分布する耳回りを中心に、顔面の表情を作る筋肉に対して鍼をしていく。末梢性顔面神経麻痺に対する鍼灸は有効であるという研究も鍼灸の研究のなかでは多く、その有効性も高いとされています。鍼灸治療によって血管が拡張し血液循環が改善されることに加え、神経機能の興奮が効果的であるとされています。
アイム鍼灸院での顔面神経麻痺の鍼灸治療
アイム鍼灸院での顔面神経麻痺の鍼灸治療は、無痛の鍼で治療していくため、鍼灸治療に伴う負担がなく安心して治療をうけていただけます。顔面神経麻痺では麻痺のある部分への刺激は重要ですが、それ以外にも上半身全体の緊張が強くなっている場合や、ストレスなどにより腹部の緊張が強くなっている場合があります。それらを丁寧に治療することで、顔面部への鍼灸がより有効な刺激になっていきます。
頸腕症候群
頸肩腕症候群とは、首周辺、肩、上腕、前腕、手、指の一部や、これらの全てに、筋のこり、痛み、しびれ等を伴う症状の総称です。
むち打ち(頚椎捻挫)
むち打ちは、車の追突事故の際に、首が猛獣使いの鞭のように前後に反ることによって発症することからその名前がついています。しかし日本では最近、病態的にその名称に誤りがあること、患者に不安を与える点で診断名としては不適当とされていて、「むち打ち」と言う病名から「外傷性頸部症候群」と呼ばれるようになりました。
むち打ち、外傷性頸部症候群の原因
むち打ち、外傷性頸部症候群の原因は、頸椎に関わる椎間板、筋肉、靭帯、椎間関節などの損傷です。すなわち椎間板圧縮などによる非動的な筋肉の反射性緊張による損傷と考えられています。また慢性の頭痛や首の痛みには、椎間関節が重要な役割を果たしているとされています。現代医学的な治療では、保存的治療が中心に行われます。長期の安静は有害となり、早期の運動が効果的です。基本的には薬物療法、理学療法、ブロック注射などの治療が行われます。
むち打ち、外傷性頸部症候群の鍼灸治療
鍼灸治療では、痛みのある場所へ直接治療を行います。痛みがある場所に痛みや筋肉の緊張が見られる場合は、そこに鍼の刺激をして血流を促進し緊張をほぐします。急性期で首に熱感や炎症がある場合には、その場所と離れたところに治療をして改善を期待する場合もあります。
WHOが有効性を認めている症状
鍼(はり)とお灸は、WHO(世界保健機関)から正式に認められた医療行為です。なんとなく体調が悪いといった症状から、内科疾患や婦人科症状、免疫力を上げたい方、術後のしびれなど、西洋医学だけでは対応しにくい症状でお悩みの方も、お気軽にご相談下さい。