今や薄毛は治療する時代。
薄毛はメンタルに強く作用し精神状態や生活、仕事のクオリティーに大きな影響をおよぼします。薄毛は放置する時代から適切にケアして進行を遅らせ治療&セルフケアする時代へと変移しました。
そんな中薄毛治療の最新トレンドは常に進化していてその中でも鍼灸治療は注目を浴びている治療法の一つ。今回は専門的な視点から薄毛治療の最新動向について詳しく解説します。
薄毛治療の最新動向
現代の薄毛治療は主に皮膚科、AGA専門クリニックでの外用、内服治療となる。
治療 | 効果 | 対象者 | リスク・副作用 |
フィナステリド(プロペシア)※内服薬 | 脱毛抑制薬:抜け毛を抑える | AGAの進行を抑制したい方 | 性欲減退、肝機能障害、勃起不全、射精障害など |
ディタステリド(サガーロ)※内服薬 | 脱毛抑制薬:抜け毛を抑える | AGAの進行を抑制したい方 | 肝機能障害、多毛症、過敏症、蕁麻疹など |
ミノキシジル※内服薬、外用薬 | 発毛促進薬:育毛・発毛を促進する | 発毛を促進させたい方 | 頭皮のかゆみかぶれ赤みなど |
メソセラピーHARG療法 | 栄養分を頭皮に注入し育毛・発毛を促す | 発毛を促進させたい方 | 頭皮のかゆみかぶれ赤みなど |
自毛植毛 | 後頭部などの目立たない毛を移植する手術 | AGAの根本治療したい方 | 頭皮のかゆみかぶれ赤みなど |
内服治療
プロペシア、ザガーロの内服
プロペシア、ザガーロとは男性ホルモンの働きを抑えヘアサイクルを正常にする薬。
効果も証明されているけれど副作用もあるので説明を受けた上で納得して使用することが大切
パントガールの内服
パントガールとはドイツの製薬会社により開発され世界で初めて女性の薄毛に効果が認められた薄毛治療薬。
主にパントテン酸カルシウムやケラチン、シスチンといった栄養素を含み、頭皮に栄養を行き渡らせて頭皮環境を整え、薄毛を改善していく。
女性の薄毛に多く見られる「びまん性脱毛症」に有効。
HARG療法
HARG療法とはAAPEパウダーを溶解したものを頭皮に注射する治療。
AAPEパウダーとは
健康な頭皮から採取、分離した脂肪幹細胞を培養し、その脂肪幹細胞が分泌したタンパク質を分離、それをろ過し、滅菌、精製したものを粉末化したもの。130種類以上の成長因子が含まれる。
- 毛包周囲の血管新生、それに伴う血流の増加
- 毛包の成長期の延長・毛包周囲の皮膚
- 脂肪組織の活性化・酸化ストレスや男性ホルモンの攻撃から毛包を守る
これらのものを単体で使用したり、組み合わせて使用するのが皮膚科やAGAクリニックでおこなわれている薄毛の最新治療です。
薄毛治療のメリット
薄毛治療を行うことはただ外見をよくするというだけでなくメンタルヘルスに大きく影響することが多数の研究文献で証明されています。
薄毛は多くの人にとってストレスや不安の原因となります。
薄毛治療を受けることで薄毛に対する心理的な負担が軽減され、ストレスや不安の症状が軽減しメンタルヘルスが向上。QOLの改善にも効果が高いと言えるでしょう。
薄毛治療のデメリットー副作用ー
最新の薄毛治療は高い効果が得られる一方でデメリット、副作用も存在します。
治療を行う場合は治療法について医師、専門家に相談した上で慎重に検討しましょう。
副作用のリスク
薄毛治療に使用される一部の薬剤には、副作用のリスクが伴います。たとえば、フィナステリドという薬物は性的な副作用(性欲の低下や勃起障害)を引き起こす可能性があります。また、ミノキシジルの使用には頭皮のかゆみや赤みなどの皮膚トラブルが現れることがあります。副作用の発現は個人差があるため、治療を受ける前に医師と十分な相談が必要です。
経済的負担
薄毛治療は通常、持続的にコストがかかります。薬物療法やPRP療法のような治療は、定期的な投薬が必要であり、長期間にわたって治療をすることになります。また、毛髪移植手術は高額な医療費用がかかります。
成果が保証されない
薄毛治療の結果は個人差があり、治療が成功するかどうかは保証されていません。特に遺伝的な要因によるAGAの場合、髪の成長が期待できないこともあります。
薄毛治療のリスクとデメリットをよく理解し、信頼できる医師とよくコミュニケーションをとることをお勧めします。
薄毛治療と鍼灸
鍼灸は伝統的な東洋医学に基づく自然療法。
身体のエネルギーフローを調整し内臓・身体機能を改善することを目指すため、副作用の少ない薄毛治療として選択肢の一つになっています。
薄毛治療を行なっている鍼灸院は少ないものの、血流を改善させることが得意な鍼灸は治療を継続することで自然な発毛を促すことができます。
①血行促進と毛根強化
鍼灸治療は、特定の経絡やツボを刺激することによって血行を促進し毛根への酸素や栄養素の供給を増加させます。
血液循環が改善すると、毛包(髪の成長を制御する部分)の活性化し、活性化された毛包は新しい髪の毛を生み出しやすくなり、薄毛が改善します。また髪の毛は成長、休止、脱落などの周期を経て成長します。
血液循環の改善により、これらのサイクルが正常になり、髪の毛が成長しやすい環境をつくります。
②ストレス症状軽減
薄毛や抜け毛の原因の一つとしてストレスが関与することがあります。
鍼灸は副交感神経を高めストレスホルモンの分泌を抑える助けができるため、ストレスによる薄毛の進行を遅らせることができます。
③ホルモンバランスの調整
鍼灸治療はホルモンバランスを調整することが知られています。薄毛はホルモンの不均衡も原因となるため、鍼灸での治療効果を期待できます。
薄毛の主要な原因の1つは男性ホルモンであるテストステロンがDHT(ジヒドロテストステロン)という代謝産物に変換されること、DHTは髪の毛の毛根に対して敏感で、毛根を縮小させたり、髪の成長サイクルを短縮させることがあります。
ホルモンバランスを調整することで過剰なDHTの生成や作用を抑制し薄毛の進行を遅らせます。
女性ホルモンであるエストロゲンは髪の成長を促進し、髪の毛を健康に保ちます。
ホルモンバランスの調整により、エストロゲンの供給を安定化させ薄毛の進行を遅らせることができる場合があります。
またストレスを受けた時には副腎からコルチゾールというストレスホルモンが過剰に分泌されます。過剰なコルチゾールは、ホルモンバランスを乱し薄毛の原因となることがあります。
鍼灸でホルモンバランスの調整することにより、コルチゾールの制御が改善することが期待できます。
④副作用の少なさ
鍼灸療法は薬物療法に比べて副作用が少ない治療法です。
副交感神経が高まるため、倦怠感、赤みの出現などの副作用がありますが、体を休ませる作用により血流が改善しているという好転反応ですので、安心して治療を受け続けることができます。
最後に
最新の薄毛治療について詳しく説明してきましたが薄毛治療を受ける側はメリットとデメリットをよく理解し、信頼できる専門家と相談した上で安心して治療を受けることが大切です。
薄毛の原因や状態に応じて適切な治療プランを賢く選択し、より快適な生活を送れるように工夫しましょう。